やまびこ座の活動紹介
やまびこ座の公演記録から
干溝歌舞伎やまびこ座が結成以来、公演してきた演目のいくつかを紹介します。
寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)
舞踊で、江戸時代には顔見世興行や正月興行として「寿式三番叟」として晴れの日に上演されたものです。
翁は神聖な ものとして、三番叟もその精神を受け継いでいます。同じ三番叟でも、能は静の美を重視するのに対し、歌舞伎では躍動的で、陽気な面を強調しているところに違いが見られます。
「天下泰平」、「五穀豊穣」を祈願して踊り、足を踏み鳴らして魔を払いますが、こうした所作の中には、田を耕し種をまく動作なども含まれています。ここで面白いのは、日本人の二拍子系の特徴が三番叟の動きとツケ(拍子木)のリズムににじみ出ていることです。 それをエネルギッシュに振ることによって、五穀豊穣がかなうとされています。
三番叟には数え切れないほどの種類がありますが、代表的な三番叟に「舌だし三番叟」、「種まき三番叟」、「操(あやつり)三番叟」、「二人三番叟」があります。今回上演する三番叟は寿式三番叟で舞台清めとして舞ます。
この三番叟では本来、舞台には立方(舞手)一人の登場ですが、今回は地方も登場する演出としました。
今回の演出にあたり、檜枝岐歌舞伎保存会のご指導をいただきました。
また、舞は地元お囃子方がおこないます。
白波五人男 稲瀬川勢揃いの場 (三代目三桝京昇氏振付)
通称「弁天小僧」で有名なこの作品は、幕末の歌舞伎脚本作者(戯作者)河竹黙阿弥(かわたけもくあみ-1816~1893)の「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」という5幕ものの芝居です。
今回はこの二幕目第三場(稲瀬川勢揃いの場)で、「志らなみ」の字を染め抜いた番傘を差して男伊達の扮装に身を包んだ五人男の名乗りをするところが有名です。
花道を堂々と登場後、舞台に来て捕り手を前に五人組が勢揃いし、一人づつ見得を切り、「連ね」と呼ばれる、縁語や掛詞を駆使した七五調のリズミカルな台詞で名乗る姿は歌舞伎の様式美が凝縮されています。この様式は現代でも受け継がれ、子供向け特撮ヒーロー番組「秘密戦隊ゴレンジャー」を初めとする(所謂戦隊もの)にまで見ることができます。.
白浪五人男
石川五右衛門、鼠小僧と並ぶ、日本で極めて広く名の知られた泥棒。
- 弁天小僧菊之助 - 千寿姫を騙し身投げさせた後、日本駄右衛門の手下となり、女装して恐喝と窃盗を働く。
- 南郷力丸 - 忠信利平の金(元は千寿姫の許嫁・信田小太郎の仏前に備えられた金を赤星十三郎が盗んだもの)を奪おうと斬りあう。菊之助と共に恐喝と窃盗を働く。
- 日本駄右衛門 - 大盗賊。千寿姫を身投げさせた菊之助を手下にする。実在の盗賊浜島庄兵衛、別名日本左衛門がモデルという。
- 忠信利平 - 赤星家に仕えていた父親が横領の末逃亡。日本駄右衛門の手下。
- 赤星十三郎 - 叔父に薬を得るための資金を頼まれ、盗賊となる。忠信利平に出会い、日本駄右衛門の手下となる。
この作品には歌舞伎の人気狂言「雁金五人男」「新薄雪物語」「山門五山桐」などのパロデイが見られ、それをまったく新しい作品に作り変えた作者、黙阿弥の機知に富む傑作のひとつです。 ― 参考 wikipedia ―
絵本太功記十段目 尼崎閑居の場 (三代目三桝京昇氏振付)
一七九九(寛政十一)年初演の人形浄瑠璃。
作者は近松柳・近松湖水軒・近松千葉軒。その翌年十一月に、歌舞伎として上演されました。
明智光秀の反逆事件を描いた読本『絵本太閤記』をもとに脚色された作品です。
光秀が謀反を起こすきっかけからその最期までの十三日間を、一日目から十三日目までの十三段に分けて構成されたものです。
その十日目に当たる十段目が今回の公演である有名な尼ヶ崎閑居の場」です。
菅原伝授手習鑑 寺子屋
保存会発足記念公演
平成20年12月7日には保存会発足記念公演が開催されました。
「寺子屋」から始まり「安達ケ原三段目」、この二つは50年の時を意識し、私たち干溝歌舞伎がどうしても超えなければならない演目であり、その実現は私たちの「登竜門」といえるものでありました。

